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この課題については、各工務店、大工としての永遠のテーマとなって、今後も続いて行く事と考えますが、
現在の私の考えを書いてみたく思います。
先般の中越地震とその後に起きた中越沖地震に災害復興協力業者として、足掛三年の間、
柏崎に出向きました。
震災時の体験談を数多く聞くことが出来、それこそ心震える思いがしました。
とてつもない地震力が建物を傷つけている事をこの目で見たときは、大工として恐ろしくも又、
非力さを感じます。
倒壊事故のほとんどは四寸角(120a)の通し柱の座屈現象(横に折れること)です。
これからの家創りは座屈現象の起きない強い建物を創らなければと思いを新たにした次第です。
この件に関しては、小冊子「大工の元さん、ひとり言 Vol1-1」で詳しく書いてあります。
ご希望の方には、無料にて進呈いたしております。お電話をいただくか、お問い合わせフォーム
に入力して下さい。 |
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私こと、「大工の元」はつくづくこの仕事を選んで良かったと思っております。
大げさかも知れませんが、大工の道はすべての道に通ずるとさえ考えております。
人と人とのつながり、社会とのつながり、そして宇宙とのつながり。を
ここで申し上げたき事は、日本の伝統的な在来軸組工法は、世界でも類を見ないほどの
強固たる木組みができる事です。
それぞれの木の特性を生かし、仕口、継手を何通りも考え、ケースバイケースで
使い分けて強く長持ちする建物を創る技術を創造してきた事です。
いろいろな建て方工法はありますが、木を組み、人を組み、人にも木にも「良くやる大工」
と言われるように、これからも伝統在来軸組工法を大切にすべく
精進して参りたく思っております。
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前記しました材に、地震力で木造家屋が一番大きなダメージを受ける所は、
垂直材に対する横架材の接合部、いわうる通し柱と横材のとりあいの所なのです。
(中越および中越沖地震では、倒壊家屋のほとんどが接合部上端で座屈していた。)
通し柱に横材を取り付けるには、何らかの接合部分を作らなければなりません。
接合部を作るという事は、通し柱に欠き込みをします。
欠き込みをしますと、当然その材は弱くなります。(断面欠損といいます。)
ここで皆さんに簡単な算数の勉強を!
【問題1】
直径30pの円の面積はいくつでしょうか?(ここでは丸太の断面積です)
【回答1】
答えは、「πr2」(パイアールニ乗)となります。
(3.14×15p×15p=706.5p)
【問題2】
同じく12p角の面積はいくつでしょうか?(ここでは角材の断面積です)
【回答2】
答えは、「縦×横」となります。
(12p×12p=144p)
以上の材に、面積だけで考えたときに丸太の方が、4.9倍の強度が出されます。
一概に数値だけでは、測ることは出来ませんが、一つの目安として丸太柱は強いという事が
ご理解頂けたらな、嬉しく思います。
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前記しました、江戸後期に建てた家に住まいする方がおられると書いたところですが、
その家を良く良く観察しますと今風の基礎がありません。
大きな石の上に柱が立っていて、その柱の根元部分にヌキ(6p×15p)通してあります。
皆様方の近くの寺社仏閣には、今風の基礎と土台はあるでしょうか?
木材の形成層を横方向に使い(土台の事です)その上に、垂直材(柱の事です)を置くと
形成層は建物の長い間の重みにより潰れてしまいます。
潰れた所には、水分が溜まりやすくなり、腐巧菌が発生します。
その結果、建物に不動沈下が発生するのです。
(不動沈下の要因は、他にもありますが、ここでは材木に論点を置きます。)
結果!「お父さん、この家傾いて来たね。そろそろ建て替え時期かしら?」
と来るのです。
断面係数の増大を計り、土台の上に柱を乗せるのではなく、直接基礎の上に建てる事が
長きに渡り住まいする考えに重要な視点と考える事が少しは、おわかり頂けたでしょうか?
丸太柱には、その工法が可能であり、垂直荷重を直接地盤へ逃がしているのです。
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古民家を見ると大黒柱に大きな横材が取り付いているのを見ることが出来ます。
大工はそれを指作り(サシヅクリ)と呼びます。
今回は、その古民家工法を応用してリフォームのしやすい住宅を考えて参りたく思います。
「数世代に渡り、住まいする住宅は、時代の変化と同じく住空間も変わる。」と前に書き留めました。
時代と共に変化するニーズには建物としては、どのように対応して行くべきか、皆様にはどの様に
お考えにはなるでしょうか?
私はこのように考えたのです。最初からリフォームを前提とした構造材の配置をしておけば
良いのでは! と。
約3.6m間隔に太い丸太柱を立てて、そこに通常の倍の大きさの横材を取り付けます。
要は指作りの連続パターンを構成する事です。
イメージする事がやや難しいかと思われますが、「百聞は一見にしかず」興味のある方は是非
モデルハウスを見学においで下さい。
詳しく説明させて頂ければ幸いに思います!。
一般の方も同業者の方もいらして下さい。歓迎いたします。
その現代風、指作りの家は丸太柱は動かせませんが、間仕切壁、中柱等を自由に動かす事が出来、
結果、時代に合わせたリフォームのしやすい住宅となることでしょう。
家族を大切に、家を大切にさらには「日本、地球を大切に」と切なる希望を込めて!
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ここまで少し難しい話が続いておりますので、少し頭を休めて頂きたく面白き話を一つ紹介したく思います。
外観と工事代金について、お話したく思います。
外観についてですが、今、耐震補強で公共の建物の外観が大きく変わって来ています。
その建物を設計した設計士曰く。「俺の子供に傷を付けやがって!」「俺の子供はそんなにヤワじゃねーよ。」「まーしゃーねーか!」
と笑っていました。
建物の外観は人間でいうファッションと同じと考えます。
中身はさて置き!丸太で創った三階建て住宅には、外に丸太の一部が見えています。
その丸太の一部が外観に変化と安らぎを与えています。
それともう一点。工事代金の件ですが、高床式住宅の基礎工事代金はおおよそ450万円〜600万円位と考えます。
その高床式基礎部分を丸太で建ち上げたなら、平基礎地中梁を含めても250万〜300万円と算出する事ができます。
この工法しかない、ではなくて、色々な工法が試される時代に入ってきていると考えています。
詳しくは「優良住宅ニュース」をご参照下さい。
ご希望の方は、連絡頂ければ無料にて郵送いたします。
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